「九州部落解放・人権大学」設立の趣旨
九州における人権確立のための運動は、戦前戦後を通じて被差別部落の当事者による並々ならぬ行動力の上に構築されてきました。 1922年3月3日の全国水平社の創立からわずか1年後の1923年5月1日には、福岡県の花山清や柴田啓蔵たちの活動と後に解放の父と言われる松本治一郎の尽力により、福岡市において全九州水平社創立大会が開かれました。福岡における全九州水平社の創立は、思いを同じくする九州各地の水平社創立につながりました。
以後、全九州水平社は農民運動や労働運動と連携し、生活闘争、政治闘争を展開していきました。優れた先達・指導者たちの全九州水平社による水平運動は、戦後は部落解放運動へと引き継がれて、反差別の人権確立の理論と実践のもと人権社会実現への道を着実に築いてきました。
部落差別の解消を目途として推進された同和対策事業関連法の失効とともに、国連の「21世紀を人権の世紀に」の提唱による国際的な人権確立の考え方が取り入れられていく中で、2000年には「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」が施行され、教育機関だけではなく多くの団体や組織・機関において様々に人権教育・啓発の取組が展開されるようになりました。
しかし、そのような中で、インターネット空間でのプライバシー侵害や誹謗中傷行為の横行、教育現場での同和教育の形骸化や後退等、部落差別の解消に反する様々な問題が顕著になってきました。このような状況の中2016年「部落差別の解消の推進に関する法律」が施行されました。部落差別は解消に向かいつつも厳然として存在していることをこの法律は明らかにしました。
今日、インターネットは「寝た子を、悪意を持って偏見で起こす」という新たな差別のツールとして悪用されています。また、このような新たな差別の態様に対して、市民への人権・同和問題にかかる啓発内容の多様化や、その啓発を推進する次世代の人材育成などの問題も喫緊の課題となっています。
標記の「九州部落解放・人権大学」は、先達・指導者たちが積み上げてきた解放の理論と実践を継承し、さらに積み上げるべく、九州各地の次世代の教育・啓発の牽引者となる人たちに、人権関連法、人権に関する国際的動向、人権を取り巻く実態等について統合的・体系的・科学的にアプローチして人権社会の確立に向けた学習の機会を提供する場として設立するものです。
九州各地の大学の先生方や研究者等を招き、2ヶ月毎に1泊2日全5回20講座を実施します。また、市民・労働者、学生等を対象に公開講座を実施します。
学 長 横田耕一(九州大学名誉教授)
理事長 組坂繁之(部落解放同盟九州地方協議会議長)
(反差別国際運動共同代表理事)
「九州部落解放・人権大学」推進委員会
〒812-0044 福岡県福岡市博多区千代1-29-12(一財)福岡県部落解放センター内
TEL/FAX 092-408-9079 Mail kaiho.jdai@gmail.com
